この日、 おばあちゃんは、ある男の子に出会いました。 ポピーちゃんをいつも、 ぷりぷり怒らせたり、 しくしく悲しませたり、 なかなか笑顔になれない男の子です。 出会ったしゅんかん、 おばあちゃんは男の子にかけよりました。 おばあちゃんには 見えていたんです。 大きく、おそろしく見せている姿の下に 小さくうずくまっている 寂しさいっぱいの男の子が。 おばあちゃんはさっそく 男の子の心の中へ。 ポピーちゃんには いろんな模様でいっぱいの、 大きなハートが見えました。 そう、おばあちゃんは心の中へ入るカギを持っているのです。 ポピーちゃん、いっしょにおいで。 かちゃかちゃ、 かちり。 ハートのドアが開きました。 おばあちゃんは、入ったドアを開けたまま 薄暗い階段を ゆっくり、ゆっくり、 下りて行きます。 淡いろうそくのような光が 空中に浮いている、 不思議な、空間です。 […]