Fancy Granny Stories おしゃれなおばあちゃんのお話18

星の村の小人さんと

流れ星を眺めるおばあちゃんとポピーちゃん。

すると2つの綺麗な玉が

ふわふわ空へ上がっていくのが見えました。

不思議に思ったポピーちゃんが

あれはなあに?

おばあちゃんは何も言わずに

静かに立ち上がり、

小人さんにお願いして

星でいっぱいに飾った笹の木を

一本いただきました。

小人さんは不思議そうに訪ねました。

どこに持って行くんだい?

おばあちゃんはにこにこしながら

この木はありがとうと希望がいっぱいくっついた

木だからね♪

見ていてごらん、

持って歩くと

いろんなことが見えてくるのよ♪

どれだけたくさん歩いたでしょう?

大きな川を渡れずに困っている人達がいました。

おばあちゃんは、

息をする間もなく

どーーーーーーん!!!

と、星の付いた笹の木を橋にして

みんなを向こう岸に渡してあげました。

笹の木を置いて、

星だけを持ち、

さらにさらに

歩いていくと、

今度は

空に浮かぶお城の見える丘へやってきました。

小人さんが小さな声で言いました。

希望を無くした城だ。。。

おばあちゃんが

ポピーちゃんと小人さんを見て

ウインクをひとつすると、

二人はすぐに

自分達が持っているこの星が

みんなの希望になると気が付きました。

ところが、

そこからが大変でした。

大きな森を抜け、空の城まで長く長く続く階段を

一歩、一歩、上がっていくのです。

小人さんは

ふーふー!

ポピーちゃんも

ひーひー!

言いながら一生懸命上がっていきます。

おばあちゃんも、

大きな星をしっかり運びながら

ひーひー、ふーふー!

気がつくと、様子を見ていたたくさんの小人さんたちが

おばあちゃん達を応援しています。

もう少しだ!

あと一歩!

あと一歩!

階段を上がりきった3人が見たものは

たくさんの不思議な綺麗なふわふわの玉でした。

あ!!!

ポピーちゃんが叫びました。

小人さんの森の丘で見た、

ふわふわ浮いて上がっていった玉だったのです。

おばあちゃんは

にっこり笑って

命の玉はね、

自由自在に輝けるのよ。

本当に希望が欲しいのは、

ほら、見てごらん。

雲の下のたくさんの人達。

ポピーちゃんはびっくりしました。

地上はあまりにたくさんの

悲しい顔でいっぱいなのです。

ポピーちゃんは泣き出しました。

今まで知らなかったことが

悲しくて悲しくて、

いっぱい、いっぱい泣きました。

そして、

ふと、涙を止めました。

何ができるかな?

ポピーちゃんのまっすぐな目に

おばあちゃんは

にっこり笑って、

持ってきた星を

たくさん、たくさん、

降らしましょう!

たくさんの星は空いっぱいに広がって、

大空を

きらきらきらきら、

輝かせました。

ポピーちゃんの流した涙も

輝きの一部になって、

眺める人達を驚かせているようです。

小人さんとおばあちゃんは

ポピーちゃんを微笑みながら眺めていました。

家に帰ると、ポピーちゃんは

みんなの笑顔の写真を

壁にいっぱい

飾りました。

みんながもっともっと

心の底から笑顔になれますように

そう

祈りを込めて。

 

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