Fancy Granny Stories おしゃれなおばあちゃんのお話15

ほんのり月明かりが照らす都会のひととき。

どこからともなく、

ひゅーーーーーーーーーーーーーーん。。。

今夜も自由自在に飛び回るおばあちゃん。

ピンクのリボンで結んだロープで

高いビルの間を

ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん。

うっすら汗をかきながら

大急ぎでどこかへ向かっているようです。

あ、

昼間のかけっこで一位になれなかった

大好きなポピーちゃんのところに来たようですよ。

ぷりぷり

しくしく

しているポピーちゃんに

おばあちゃんがゆっくり話しかけます。

あらあら

可愛いお顔が涙いっぱいでまっかっか!

ポピーちゃん、

いっしょうけんめい

だれのために、

走ったの?

そういって、おばあちゃんは

ポピーちゃんの手を取りました。

その瞬間、

ふわっと身体が浮いて

気がつくと高い木の上にいます。

ピー、ピー、ピー!

賑やかな鳥の声がします。

一羽の小さな鳥が、

巣から飛び出そうとしています。

お父さん、お母さん鳥たちが

優しく、厳しく見守る中で

兄弟の鳥達が巣の中から大声で応援しています。

飛べるぞ、飛べるぞ!

バタバタバタバタ!

そして、

ふわ!

飛び立ちました!

わーーーー!!!

とみんなでおお喜び!

これで自由に飛ぶことができるのです!

そして今度は大草原へ。

生まれたばかりの小さな子馬が

足をおもいっきりふんばって、

立ち上がろうとしています。

足をぶるぶるさせながら

ゆっくり、ゆっくり、

でも確実に

足をまっすぐにしています。

気がつくと

ポピーちゃんも全力で応援しています。

生まれて初めて立ち上がった子馬。

ポピーちゃんは嬉しくて涙が出てきました。

早く走るために生まれてくる子馬。

その最初の一歩は、

まず、

ゆっくりと確実に立ち上がる事なのです。

おばあちゃんは、まだまだ飛んでいきます。

今度は大きな川へ。

もっと安全なところで子供たちが育つよう、

お母さん鮭たちが

一生懸命滝を登ろうとしています。

川を力いっぱい上がっていくのです。

ポピーちゃんは

思わず手をにぎりました。

そしてついに、

お母さん鮭は川を登りきりました!

これでこれから生まれてくる稚魚たちが

安全に生まれてこられます。

そして、鮭が上っていった滝の先を見ると

大きな大きなおひさまが

きらきらきらきら、

輝いています。

そう、

おひさまは

自分の身体の中で

小さな粒子をぶつけあって

大きな爆発を起こし、

自分から輝いてみんなを照らしているのです。

それは、

おひさまにとって

毎日

ただただ、

前へ前へ、

進むことなのです。

そのおひさまに照らされて、

おばあちゃんもポピーちゃんも

良いこと、悪いこと、

次々に押し寄せる

谷を越え、山を越え、

少しずつ、

自由自在の

世界へと、

上がっていきます。

ポピーちゃんは

かけっこも、鳥が飛ぶことも、お母さん鮭が泳ぐことも

全部、みんなが

それぞれ

前進するための一歩を

ただ、ただ、

進んでいるだけなんだ

と気が付きました。

みんなが早く走っても、

ポピーちゃんが走るその一歩は

ポピーちゃんの前進なのです。

あ、

おばあちゃんの声が聞こえてきます。

悔しくて悲しい想いの谷に落ちても、

止まらず登って歩いていくと

次の谷の底は

前より深くなくて

気がついたら前より少し

強く、自由になっているはずよ

一つ、

一つ、

おひさまの光のように

あたしたちも

おもいっきり輝いていきましょう!

明日、もっと自由に、

いろんな所へ冒険に行かれるように!

 

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Fancy Granny Stories おしゃれなおばあちゃんのお話 7

お部屋の中で鏡を磨くおばあちゃん。

鼻歌交じりに聞こえてきます。

今日も磨いておきましょう。

磨くとぜーんぶ見えるから。

そんなおばあちゃん、

今はどこにいるのでしょう?

ぱっと明るいおひさまと

光が照らす賑やかな街。

今回はおばあちゃん、

おひさま輝く南の街に来ているようです。

バルコニーから顔を出すと

下から楽しい笑い声と

ちょっと遠くから波の音。

おひさまはこれから

どんどん高くへ上がって行きます。

すると突然大きな笑顔が

ふわふわと

おばあちゃんとポピーちゃんの目に飛び込んできました。

パラグライダーです。

おばあちゃんとポピーちゃん、

すかさず一番大きな声で

おはようーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

しっかり聞こえたお兄さんも

両手を大きく振って嬉しそうです★

気づくとおばあちゃん、

マルシェへ飛び出しています。

賑やかに騒ぐ鳩さんと

ばたばたばたばた。

あ、お土産をたくさん袋に

詰めているようです。

そうこうしていると想いはすぐに

地球が手作り途中の南の島へ。

煙がもくもく

雲がもくもく

そこから飛び出すエネルギーの風船が

おばあちゃんたちを運んでいます。

どこまで高く上がるのでしょう?

あ!

流れ星に乗りました!

いつのまにか

ポピーちゃんとチューリップちゃんもいます。

流れ星は

ビューンビュン!

みんながんばれ、

ビューンビュン!

みんなでどこかに

流れ星をひっぱっています!

あれよあれよ、と降りてきて

おうちをなくした

小さなほっぺのお友達に

お土産いっぱい詰め込んだ

明るいサプライズを届けました。

影で見守るおばあちゃん、

それを見守るポピーちゃん、

みんながとてもうれしそうです。

おばあちゃんの声が聞こえてきます。

だれかの笑顔を想うとね、

みんなで一緒に笑顔になるよ。

明日はだれに

おほしさまを届けようかしら?

おばあちゃんの声と一緒に

素敵なお友達の思い出の泡が

ふわふわと漂って

みんなの笑い声も聞こえてくるようです。

せっせ、せっせ、と

鏡を磨くおばあちゃんの

鼻歌と一緒に。

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